無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

西荻窪「とらや食堂」~春の到来、嬉しい出会い~

引き続き#西荻窪お持ち帰りグルメ について。このたびの長い在宅勤務生活で敢えて嬉しい出来事を挙げるとすれば、予約が取れなかったり、たまたまご縁がなかったりで、今までお邪魔したことのないお店のメニューにトライできるチャンスが一気に増えたことだろう。世の中には、どんな時にだって新しい出会いはたくさんあるのだ。
 
南インド料理の「とらや食堂」さんは、予約の入らない日はディナー営業をされていないこともあり、すごく気になっていながら、なかなかタイミングが合わずご縁がなかったお店。テイクアウトを始められたのを知り、電話予約をしたうえでテイクアウトをお願いしてみた。

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 ◆筍と浅蜊ビリヤニ
タッパーにぎっしり詰まったビリヤニは2人前以上!掬う箇所どこにも筍がゴロゴロ気前よく入っていてびっくり。別添えで玉葱、トマト、レモン、ミントを飾り、これまたたっぷりの浅蜊をオン。
 
ビリヤニは色がついているところがまだらで味薄め?と感じてしまいそうだが、どっこいこれが!スパイスの風味を纏った米が内包している旨味と辛味がしっかり感じられてこれ単体で十分美味しい。そこにほくほくしたまあるい甘みの筍、くにゅっとした身から微かな苦味と旨味がほとばしる浅蜊、ジューシーなトマト、香ばしいカシューナッツ、レモンの酸味やミントの爽やかさが相まって、幾重にも重なった「美味しい」に口の中が満たされる。個々の味がミックスされることによって「混沌」ではなく「昇華」される美味しさを生み出す、ビリヤニという料理に改めて感じ入った。

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尚、とかく私はセンスに乏しく、ビジュアルで美味しさを表現しきれてない不安があるので、美しい盛り付け例はぜひ本家Twitter上の写真を参考にされたい。 
 
◆山葵菜のライタ
山葵菜のライタもすごかった。ヨーグルトのまろやかさと山葵菜のピリッとした辛味が相反すると思いきや、危ういバランスがちょっと蠱惑的。ビリヤニとライタの相性の良さは誰もが知るところだけど、この筍と浅蜊ビリヤニに、山葵菜入りのライタをかけちゃうと、味の奥行きが広がり過ぎて、もうどう表現して良いかわからない。天才ですか?!
 
◆にんじんのサラダ
ちゃんとした料理名があるのかもしれないけど、失念。ココナッツファインが入ってるのかな?オイリーさもなく、素朴な優しい味わいがあとを引く一品。好きだなぁ。ベジ万歳!
 
春の到来を寿ぐ気持ちもしぼむような陰鬱な空気に包まれた日々の中、こんな春の旬満載のビリヤニを頂いて、私の心持ちもぱあっと上がった。この先も決して楽観視できる状況ではないものの、こんな時にも一所懸命美味しいものを生み出して感動させてくれるお店の方たちに、心から感謝。
 
そしてこんな時だからこそ、「とらや食堂」さんのお味を体験できるチャンスを得たことを喜びたい。テイクアウトを取りに伺った際に少しお話させて頂き、お店の方の温かく感じの良いお人柄も再訪を決心させる決め手になった。日々色々なメニューを考案されているようなので、また近々テイクアウトに、そして平常営業に戻ったら、お店ご自慢のミールス目当てに予約を入れて伺います!
 
ごちそうさまでした。
 

とら屋食堂インド料理 / 西荻窪駅
昼総合点★★★★ 4.5