無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

在宅勤務、私の場合

新型コロナウィルスCOVID-19感染予防のため、勤務先の指示により2月末から在宅勤務になっている。外資系企業なので、時差のある国とのコミュニケーション上の必要性とワークライフバランス推進により、リモートワークはもとから珍しいものではなかったけれど、1か月以上もオフィス出勤がない事態は異例だ。更に、この措置は5月連休明けまで継続との指示も出ている。
 
元来自宅と地元西荻窪周辺で過ごすのが好きなタチので、家に居ろと言われても平気で、在宅勤務はさほど苦ではない。もちろん、気軽に人と会えないし美味しいもの探訪や旅行は我慢、といった不便な点も多々あるけれど、私自身と、私の家族や周りの人への感染を回避出来ることを考えれば、些細なこと。せっかく有難い環境に置かれているのに、私がウィルスを貰ったり巻き散らす暴挙に出るなんてもってのほかだ。
 
むしろ私が憂いているのは、最前線で戦っている医療や介護に従事されている方々、そして公共交通機関や生活必需品販売店・宅配業者・ごみ収集業者など、私の生活を支えてくれている様々な職種の方々の安全。そして、私の人生を豊かに彩ってくれている、美味しいものを生み出す飲食店・映画や音楽などのエンターテイメント・ホテルや観光地関係者の方々の生活だ。世界各国のニュースを見れば深刻且つ長期戦が予想される事態であるのは明白なのに、精神論発言が飛び出す楽観的な姿勢で、有効な政策を打ち出してくれない国に生きる不安ばかりが募る。
 
マスク2枚なんて要らないから、どうか人と接さざるを得ない方々に、十分な不繊布マスクや消毒用品防護服など命を守るための物資を。そして私たちが命を守るための外出自粛によって生活の糧が脅かされないよう、休業を余儀なくされた方々への手厚い補償を。切に願っている。
 
これはぜんぜん綺麗ごとなんかじゃない。晴れて事態が収束したとしても、失ったものが大き過ぎたら、その後の生活だって立ち行かなくなる可能性大なのだ。病気をしたり介護が必要になっても助けてくれる人はいない。美味しいものを食べに行けるようになったって、その店が潰れてしまっていたら元も子もない。そんなのは絶対嫌だ。彼らを今救えなかったら、ゆくゆくは自分にそのツケが回ってくるのだ。
 
あぁ、多額の寄付をしたリアーナやロナウドのような財力が私にあれば、彼らを救える一助になれるのに…!と歯がゆい思いが日増しに強くなるが、悲しいことに私の経済力ではそうはいかない。手が届く範囲でできることをしていくしかない。
 
例えば、愛する西荻窪の飲食店の皆さん方は様々な工夫を凝らして営業を続けておられるので、一日最低1回はそれらの店から順にテイクアウトをしている。ゆっくり過ごすべき空間の喫茶店はどうしたら…と思っていたら、終息後も無期限で使えるコーヒーチケットを先払いで購入できるシステムを取り入れたお店を知った。それはいいかも。フレンチやイタリアン、鮨、焼肉、焼鳥、鮮魚居酒屋などテイクアウトが難しい業態のお店なども、予約確保する代わりに先払いできるような方法が取れればいいのだけれど…。
 
また、幸い西荻には対面型の個人商店も多いので、野菜や肉、豆腐などは極力個人商店で購入している。大型スーパーのような混雑(自粛要請が出てから一回も行ってないけれど大変混んでいるらしい)はないし、並ぶとしても屋外なので安心だ。常日頃からささやかながらも地元のお店は応援したいと努めてきたものの、平時の勤務状況では個人商店の営業時間に間に合わないことも多い。昼の休憩時間にサクッと行けるのも、在宅勤務ならではの恩恵だ。
 
そしてもう一つ大事なのは、罹患していないであろう今こそ、更に努めて心身を健康に保つことだろう。風邪を引いたり体調を崩し免疫力が低下してしまったら、それこそウイルスの格好の餌食になってしまう。コロナであれ他の疾患であれ、とにかく医療機関を煩わすような傷病者にならないことも、私が出来る貢献の一つだと考えたい。
 
在宅勤務は運動量の少なさも気になるが、外出要請で気が塞いだり不安が高じて眠れなかったりするメンタル面での負担にも気を付けたい。通勤時間や身支度(オフィシャルver.の化粧や身だしなみ)の時間はそのまま十分な睡眠時間に充てられるし、愛犬と過ごす時間、大好きな読書や映画鑑賞に没頭できる時間も生まれた。深刻な事態であることは理解しつつ、このような状況下で生まれた有難い副産物をポジティブにとらえて、過ごしている。