無芸大食・読書亡羊~美味しいものと本と旅~

美味しいものと本と旅が至福であり、生きがい。インスタ映えや星の数じゃなく、自分がいいと思えたものとの出会いを綴ってゆきたいです

西荻窪「たべごと屋 のらぼう」~ウチノラ・こんな中食もアリです~

諸事情があって店には行けないが、どうしてもあのお店の料理が恋しい…そんなときには、西荻窪「たべごと屋 のらぼう」さんのテイクアウトメニュー「ウチノラ」を利用させて頂いてます。

寛げるお店の雰囲気も大好きなので、伺って味わうのが一番ですが、あいにく予約が取れない時や、忙しくて調理する時間もないけど美味しいものが食べたいなんて時にとても重宝。予め電話でお願いをしておいて、予定の時刻に引き取りに行けば、出来たてをすぐ頂けるのも嬉しい。

 

この日は、トマトと青じその出し巻き卵地野菜と豚肉の炒めもの、アナゴと枝豆のごはんの3つをお願いしました。お店の盛りつけには及ぶべくもありませんが、一応自宅の食器に移し替えて頂きます。
 
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この3つは、私にとって「のらぼう」さんの真骨頂ともいえるメニューです。
 
それまであまり得意ではなかった出し巻き卵は、こちらで頂いて以来欠かせない一品になりました。中身が季節によって釜揚げシラスと海苔だったり、冬トマトに変わったりしますが、薄味仕立てのお出汁をたっぷり含んだ甘くない出し巻き卵は、トマトの甘味と紫蘇の香りが爽やかでさっぱりとした味わい。出し巻き卵は、出汁の美味しさを味わう料理なのだとつくづく感じ入ります。
 
今日は出し巻き卵でしたが、卵料理の定番としては甘めバージョンの厚焼き卵もあり、ほくほくの薩摩芋(時には安納芋)と黒胡麻がたっぷり入っていて、うっとりする美味しさ。いつも、出し巻き卵とどちらにするか悩みの種です。

 

地野菜と豚肉の炒めものは、たっぷりの三鷹産の旬野菜とロース肉を炒めたものです。
 
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お品書きには、塩胡椒、オイスターソースとにんにくのたまり醤油で炒めてあるとありますが、火の通りも味加減も絶妙で、ただの炒めものがどうやったらこんなに美味しくなるのか、不思議でなりません。この日は判別できただけでもズッキーニ、キャベツ、パプリカ、きゅうり、茄子、いんげん、人参、ゴーヤ、アスパラ、しめじ、金針菜(かな?)、厚揚げ…と具沢山で、これ一品で十分なおかずです。しゃっきり、くったり、シコシコ、じゅわっと色々な野菜の歯応えも格別。

 

「のらぼう」さんの土鍋ご飯は、定番のベーコンとアボカドの他、茄子と鶏そぼろ、新生姜とお揚げ、牡蠣と牛蒡、紫芋と銀杏…など四季折々の組み合わせの炊き込みご飯が3種類ほど揃った名物。土鍋ご飯はそれはそれは美味しくて、少し硬めのご飯の炊き加減もこんがりお焦げも、これ以上でも以下でもない塩加減がどストライクで私の好みにぴったりなので、どんな時でも欠かさずオーダー。やっぱり手作りベーコンとアボカドのご飯がイチオシですが、季節替わりのご飯もツボにはまる組み合わせばかりで、旬と追いかけっこする勢いで楽しみにしています。
 
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この日は旬の穴子と枝豆をお願いしました。白焼きの香ばしい穴子の風味がご飯に移って、三つ葉の香りも芳しい。枝豆もたっぷり入っていて、旬のものを十分に堪能できるご飯でした。

 

これ以外にも、お刺身、炊きもの、かき揚げ、焼きものなど、オーダーを決めるのにひと苦労するほど、どれを頼んでも間違いないメニューが揃っています。奇をてらっているのではないけれどひとひねりあり、肩ひじ張らずに頂けるけれど組み合わせの妙に驚きもいっぱいある、そんな二面性を持つ、しみじみ美味しいおかずばかりです。
 
普段は美味しいものとの出会いを追い求めてあちらこちらを彷徨ってばかりで、足繁く通ういわゆる行きつけっぽいお店は数えるほどしかないのですが、その数少ない「何度も足を運ぶお店」のひとつが、私にとっては「のらぼう」さん。自分の生活圏内に、何を食べても外れがないくらい私の好みに沿うお店があるというのは奇跡的な僥倖ですが、「ウチノラ」のおかげで、より一層その美味しさに手が届くようになりました。

 

今日も本当に美味しく頂きました。ごちそうさまでした。

 2015年7月某日の旅先: 西荻窪「たべごと屋 のらぼう」さん

たべごと屋のらぼう和食(その他) / 西荻窪駅
夜総合点★★★★★ 5.0